事務所のレイアウトを決めるにあたって、基本を知ることはとても重要です。特に執務室内のデスクレイアウトは業務の効率や快適なオフィス空間には欠かせないものとなります。
事務所レイアウトの基本を知って、適切なオフィスの設計を行い、働きやすい快適なオフィス空間をつくりましょう。
デスクレイアウトの基本パターン
事務所のデスクレイアウトにはさまざまな種類があります。
それぞれの企業の業種や業態、働き方によっても効率の良いデスクのレイアウトは異なります。業務の内容に合わせたレイアウトを行うことで効率アップにもつながりますので、デスクレイアウトの基本パターンを知って、自社に合った適切なデスクのレイアウトを行いましょう。
対面式
日本のオフィスでは一般的になっているパターン。いわゆる島型配置。コミュニケーションが取りやすく、島ごとに分かれているので、連携が取りやすい。一方、オープンな空間のため、仕事に集中しにくい場面もある。通路と椅子の動作域を共有する省スペース型。
背面式
同一グループが背中合わせに座るパターン。後ろを振り向けば、すぐにコミュニケーションが取れるため、対面式に比べてプライバシーとコミュニケーションを両立しやすい配置。対面式と同様、スペース効率が良い省スペース型。
スクール型
学校のように、一方向にデスクが配置されているパターン。向かい合った人の視線を気にする必要がないため、集中した業務に向いている。また、前後左右の席とコミュニケーションが取りやすいのも特徴。ただ、デスク間や通路スペースを多く取る必要があるため、スペース効率は良くない。
クラスター型
左右対向式とも呼ばれる、列により座る向きを変えるタイプ。対面式とスクール式の良いとこ取りをしたレイアウトで、個々の作業が中心という職種に向いており、密なコミュニケーションが必要な仕事にはあまり向いていない。左右のデスクとの間に収納家具を挟むことにより、作業面と収納機能の拡充を図ることが可能。
Y字型
3台のデスクを組み合わせて配置するパターン。中央に共用の作業面があることで、チーム内で共有する仕事が多い職種に向いている配置。少人数のチームワークには適しているが、無駄なスペースが生じやすいため、スペース効率は良くない。
卍型
各デスクを同方向にならないように配置するパターン。チーム間のコミュニケーションが取りやすく、目線が合わないことにより、集中しやすい配置。無駄なスペースが発生しないため、スペース効率が良く省スペースが可能。
十字型
卍型の中央に作業面を設けたパターン。中央に共用の作業面があり、少人数のチームワークに適している配置。共有スペースがある分、無駄なスペースが生じやすい。
デスクレイアウトに必要な基準寸法
デスクのレイアウトを作成するにあたり、オフィスで働く人にとっての作業のしやすさや、適切な動線の確保、妨げのない通路など、安全性や快適性に配慮する必要があります。
また、通路幅などは建築基準法や消防法によって、最低限の幅が決められている場合があります。しっかりと基準を守り、快適なオフィス空間をつくりましょう。
適切なデスクレイアウトを行ううえで、最低限必要な基準寸法を示します。
① デスクとデスクの間:900
② 座席と壁の間:900
③ 座席と収納庫の間:1,500
④ 座席と座席の間:1,600
⑤ 座席と壁の間:1,400
事務所のレイアウトを決める5つのステップ
事務所のレイアウトを決めるうえで、必要なステップは以下になります。
1.事務所に必要なスペースを決める
2.各スペースの必要な広さと席数を決める
3.デスクレイアウトを決める
4.各スペースの仕様を決める
5.全体のバランスを考える
この5つのステップの順に、事務所のレイアウトを決めていきましょう。
1.事務所に必要なスペースを決める
事務所に必要なスペースは何かを決めましょう。基本的なスペースとしては以下のものがあります。
- 執務・業務スペース
- 会議・ミーティングスペース
- 応接スペース
- 休憩スペース
- 役員スペース
- フリースペース
自社に必要なスペースは何かを決めましょう。決める際には、従業員からのヒアリングを行うなどをして、実際に使用する人の意見やアイデアを吸い上げることも大切になります。
働く人の職種や働き方、どんな使い方をしたいかによってスペースの使い方は変わってきますので、できるだけ具体的な想定をして、必要なスペースを決めていきましょう。
2.各スペースの必要な広さと席数を決める
必要なスペースを決めたら、それぞれのスペースがどのくらいの広さにしたいかを考えましょう。下記を参考に考えてみてください。
- 執務スペース:席数 × デスクサイズ
- 会議・ミーティングスペース:席数 × 必要な部屋数
- 応接スペース:席数 × 必要な部屋数
- 休憩スペース:席数
- 役員スペース:席数 × 必要な部屋数
各スペースに必要な広さや席数を決める際には、どのスペースを優先的に設置したいかも決めておきましょう。事務所の広さには限りがありますので、全てのスペースが設置できるかは分かりません。優先順位を決めておくことで、設置するスペースがスムーズに決められます。
3.デスクレイアウトを決める
デスクレイアウトの基本パターンを知ったうえで、自社の業種や業態・働き方に合ったデスクレイアウトを決めましょう。日本のオフィスでは、対面式デスクレイアウトが一般的になっています。対面式デスクレイアウトは、島型配置とも呼ばれスペース効率が最も良いレイアウトになります。
近年では、フリーアドレス制を導入する企業が増えてきています。フリーアドレスでは大型のテーブルを配置し、働き方や仕事内容に合わせて働く場所を決めることができます。
4.各スペースの仕様を決める
自社の事務所に必要なスペースを決めたら、各スペースの仕様を考えましょう。
執務スペースでは、デスクの配置をはじめ、収納スペースの台数や配置・コピースペースの配置・ネットワーク機器の設置場所なども含めて、執務スペースに必要な設備や備品の配置を考える必要があります。
会議・ミーティングスペースでは、会議やミーティングの方法によって必要なオフィス家具や備品は変わってきます。会議にはさまざまな種類があります。
応接スペースでは、ソファータイプや会議タイプなど応対する相手によっても変える必要があります。
5.全体のバランスを考える
必要なスペースを決め、各スペースの必要な広さと席数を決めます。さらにデスクレイアウトを決め、各スペースの仕様を決めていきます。最後に事務所全体の配置バランスを考えます。
各スペースの面積配分は適切か、各スペースの配置場所は効率的か、不要なスペースはないか、などをチェックしましょう。
まとめ
事務所のレイアウトを適切に行うことは、働く場としての機能を果たすためには必要不可欠です。デスクレイアウトの基本パターンを知り、自社に合った適切な事務所のレイアウトを行いましょう。
自社にはどんなデスクレイアウトが最適なのかをしっかりと検討し、働く人にとって快適で働きやすい環境を整えることが企業に求められています。
【関連記事】
コメント
Comments are closed.