オフィスのレイアウトをつくるうえで、オフィスのレイアウト図面は欠かせません。
オフィスのレイアウト図面は、オフィスリニューアルやレイアウト変更など、さまざまな場面で必要になります。またオフィスを移転する際に、移転先を検討する材料としても参考になります。
こちらでは、オフィスレイアウト図面を作成する方法と注意点をご紹介します。
オフィスレイアウト図面の作成手順
レイアウト図面を作成することによって、各スペースの配分や位置関係、デスクの配置や席数などを、視覚的に把握することができます。
オフィスのリニューアルやレイアウト変更を検討する際に、レイアウト図面を使って具体的な計画を立てるのに役立ちます。
オフィスのレイアウト図面を作成する手順は、次の通りです。
・オフィスのコンセプトを明確にする
・必要なスペースを決める
・配置・動線を計画する
・レイアウト図面を作成する
それぞれ詳しくみていきましょう。
オフィスのコンセプトを明確にする
どんなオフィスにしたいかの方向性をきちんと決めておくことは、オフィスのレイアウトを考える上でとても重要です。
オフィスをリニューアルするときには内装材や家具の選定、レイアウト変更のときにはスペースの配分や配置を決めていきます。その際にオフィスのコンセプトがはっきりしていないと、優先順位がわからなくなってしまったり、ブレてしまって統一感のないオフィスになってしまったりします。
まずはオフィスのコンセプトを決めましょう。
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必要なスペースを決める
自社に必要なスペースは何かを決め、それぞれのスペースにどの程度の広さが必要なのかを決めます。
限られたオフィススペースのなかでどのスペースを優先するかは、コンセプトからブレないように決めていきましょう。
- 執務スペース
- 会議室
- 来客・応接室
- 休憩・リフレッシュスペース
- 資料・ライブラリースペース
- エントランス
- 給湯スペース
このようにオフィスにはさまざまなスペースがあります。自社に必要なスペースを決めましょう。
配置・動線を計画する
必要なスペースが決まったら、各スペースの配置やオフィス全体の動線を決めていきます。メインの通路や各スペースの入口付近などは、しっかりと動線が確保できるようにしましょう。
また移動のしやすさに加えて、音や目線への配慮も必要になります。スペースの配置を決める際には、この点も注意しましょう。
それぞれの通路幅はしっかりと確保し、スムーズな移動ができるように考慮しましょう。
どれくらいの通路幅が必要なのかは「オフィスレイアウトの基本 デスクレイアウトと基準寸法」で詳しく解説しています。
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レイアウト図面を作成する
レイアウト図面を作成する方法は、CADが一般的です。無料で使えるソフトとしては、Jw_CADなどがありますが、レイアウト図面を作成するためだけに操作方法などを覚えるのは大変です。
手軽にレイアウト図面を作成する方法として、エクセルなどの表計算ソフトを使用する方法があります。
エクセルで、列・行の高さを統一して方眼シートを作ります。
1マスを50cmとしてオフィスの広さを表します。(さらに細かく表現したい場合は、1マス10cmなど、オフィスの広さに合わせて設定しましょう。)
図形を使って、オフィス内の家具や備品を配置してきます。
エクセルでは、簡易的なレイアウト図面の作成が可能ですが、リニューアルなど詳細が必要な場合はCADを使った図面を作成しましょう。
参考:https://office-ball.com/officekagu-senmonten/interior/excel/#toc5
さらに詳しいオフィスレイアウト作成の手順書は下記からダウンロードできます。
オフィスレイアウト作成の手順書
オフィスレイアウト作成の手順書に従って、オフィスレイアウトの作成を行いましょう。
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図面の種類
図面にはさまざまな種類があります。オフィスのレイアウト図面では平面図が主です。平面図はオフィスを上から見た図面です。躯体図をベースにオフィス内の寸法をしっかりと反映させる必要があります。
図面と現況が異なっていることも考えられるため、実際の状況により近づけるために実測をすることをオススメします。
天井伏図には、天井に設置されている照明や空調機器、消防設備などが記されています。工事を伴うリニューアルなどの際には必要になってくる図面です。
展開図には、室内の天井高や窓やドアの位置・高さなどが記されます。間仕切りや壁を立てる際に必要になる図面です。
その他オフィスに関わる図面としては、電気系統図や配線図などがあります。電気回路や電源配線など、オフィス内の配線の状況を記した図面です。これらは専門的な内容になってきますので、必要であれば専門の業者に依頼しましょう。
レイアウト図面作成の注意点
レイアウト図面を作成するときの注意点は、次の3つです。
1.法律遵守
2.設備などの確認
3.動線と通路
それぞれ詳しく解説します。
1.法律遵守
オフィスづくりにおいて関わっている法律には「建築基準法」「消防法」「労働安全衛生法」などがあります。その他にも安全なオフィス環境をつくるためにさまざまな法律が定められています。
避難経路の確保
安全に配慮した避難階段までの距離や避難経路(通路)に障害物を置かないことなどが「建築基準法」「消防法」により定められています。
消防設備
火災報知器・スプリンクラー設備・排煙設備など、オフィスに設置することが義務づけられている消防設備があります。これらは建物によって設置義務のある設備は異なってきますので、管理会社などに確認をしましょう。
オフィスの広さ
労働安全衛生法で、1人あたり10立方メートル(約1.4坪・約4.8㎡)以上確保すること定められています。また、オフィス家具メーカーが推奨する広さは2~4坪とされています。法律で定められた広さは最低限確保すべき広さなので、業種や働き方によっても必要な広さは変わってきます。
その他にもオフィスづくりに関する法律はさまざまあります。しっかりと法律を守ったうえで快適なオフィス環境を整えましょう。
2.設備の確認
オフィス内にはさまざまな設備があります。設備の中にはビル全体で管理しているものも多くあります。不明な場合には、ビル管理会社に問い合わせてみましょう。
レイアウト変更などの際には、先述した法律を守るとともに空調や照明などにも配慮しましょう。
また天井までの間仕切りを立てる場合は注意が必要です。天井や壁に設置された空調・照明・消防設備の位置をしっかりと確認して、妨げにならないようにしましょう。場合によっては、移設や増設が必要になることもあります。
3.動線と通路
動線は人の移動がスムーズにできるかどうかが関わってきます。しっかりと動線が確保されていないと、業務に支障が出てしまう可能性もありますので、事前に計画しましょう。
図面上では広く見えても、実際に感じる広さには誤差がある場合があります。図面上だけでなく、実測してみることも大切です。
さらに通路幅は法律でも定められているものもあります。それ以外の通路でも、人がスムーズに通れる幅を確保することが必要です。
それぞれの通路でどのくらいの幅を確保する必要があるのかは「オフィスレイアウトの基本 デスクレイアウトと基準寸法」で詳しく解説しています。参考にしてみてください。
まとめ
オフィスのレイアウト図面は、さまざまな場面で役立ちます。レイアウト図面はリニューアルやレイアウト変更などを検討する際に、必要になりますので備えておくとよいでしょう。
オフィスのレイアウトを考える際には、法律で定められている基準をしっかりと守り、動線をしっかりと確保することが必要です。
社内で働く人が、快適に過ごせるようなオフィスのレイアウト図面を作成しましょう。
レイアウト図面の作成は手順に沿って進めるのが効率的です。さらに詳しいオフィスレイアウト作成の手順書は下記からダウンロードできます。
オフィスレイアウト作成の手順書
オフィスレイアウト作成の手順書に従って、オフィスレイアウトの作成を行いましょう。
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